抄録
少子高齢化や人口減少が進行し,それに伴う都市構造の問題によって居住者の生活が困難になる危険性が発生している.その危険性の低減という観点から,都市の縮退という議論が進められおり,転居も検討項目の1つとなっている.そこで本調査報告においては居住者のリスク認識を考慮して,居住者の潜在的な転居意向の要因を明らかにした.その結果,1) 居住地周辺の公共交通を認識し,実際に利用していること,2) 周辺公共交通撤退のリスクを認知していること,などが潜在的な転居意志に大きな影響を与えている傾向が明らかとなった.また,一般的に不便であると考えられる中山間地域において,都市構造リスクが認識されておらず,潜在的な転居意向が低い傾向が示唆された.