抄録
東京大都市圏郊外の戸建て住宅地では,空閑地が増加しつつあり,居住環境の低下が懸念されている.空閑地の農的活用による解決の方向性が提案されていることをふまえ,本研究では,農的利用混在の住宅地における外部性についてヘドニック法を用いた評価を行った.比較的大規模な農地・菜園が,狭小敷地の住宅に近接して存在する場合に,正の外部効果を及ぼしていることが明らかとなり,これは,地区全体での低密度化の実現として捉えられる.また,空間配置の最適化に向けた示唆を得るため,分析結果を利用して,実際の住宅街区においてシミュレーションによる検討を行った.特に近隣に負の外部効果を及ぼしている未利用地を,暫定的に農的活用することは,高密度な住宅地において効果的な施策であることが示された.