都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
Print ISSN : 0916-0647
ISSN-L : 0916-0647
ドイツの風力発電所立地に関するゾーニング策定の方法論
ブランデンブルク州およびラインラント=プファルツ州の地域計画を事例として
畦地 啓太
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 49 巻 3 号 p. 639-644

詳細
抄録

本研究は,ドイツの風力発電所立地に関するゾーニングの具体的な方法論を,論理性と公正性の2点に着目して明らかにした。ゾーニング策定における論理性は, 3種類の策定基準を設定し段階的に適地を絞り込んでいく3つのステップ,および残った適地が相当量を満たしているか否かを判断するステップ,計4つのステップに準拠している。最後のステップの判断に必要な相当量は,州のエネルギー政策・計画によって示された風力発電の個別導入目標を達成するために必要な面積という形で算出される。策定基準は,基準を細分化して詳細に検討する等,風力発電事業による他の土地利用への影響を最小化しながら適地を確保する取組みがなされている。 ゾーニング策定における公正性は,意思決定主体である地域議会,および助言を行う諮問委員会の構成が多様であること,すべての利害関係者に対する意見提出機会が設けられること,地域計画当局がそれらすべての意見に対する対応を作成し地域議会に説明することによって担保されやすくなっている。加えて,公正性が担保されていない場合には訴訟が対抗措置として有効に機能している。

著者関連情報
© 2014 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top