都市計画論文集
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戦災復興における瓦礫処理の実態
太刀川 宏志大沢 昌玄岸井 隆幸
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2014 年 49 巻 3 号 p. 687-692

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抄録

災害後には瓦礫が発生し、まず復旧復興に先駆け、瓦礫処理を行う必要がある。第二次世界大戦では全国215都市が被害を受け、戦災復興においても、広範囲で一度に一気に行う必要がある瓦礫処理は大きな課題であり、戦災地応急対策として最初に清掃事業(瓦礫処理)が実施された。東日本大震災の被害は非常に広範囲に及んでおり、広範囲で一度に一気に発生した災害における瓦礫の処理方策を学ぶ上で、戦災復興の瓦礫処理を解明して今後に活かす必要がある。あわせて、災害時における瓦礫処理についての備えを考えていく上でも、過去の災害復興を振り返り今後に生かしていくことは意義があると考える。そこで本研究は、戦災復興誌より戦災復興における瓦礫処理の方針を把握した上で、実際の戦災瓦礫処理を都市別に抽出し、処理内容毎にまとめる。さらに、特徴的な戦災瓦礫の処理方策を見出す。戦災瓦礫処理は、制度として戦災復興土地区画整理事業区域を対象としたことが本研究を通じて確認できたことから、見直しにより土地区画整理区域外となった地区を多く抱えた東京の戦災瓦礫処理について具体事例として述べることとする。

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© 2014 公益社団法人 日本都市計画学会
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