2014 年 49 巻 3 号 p. 855-860
岡山県内には多車線同士が交わる大規模交差点を中心に左折導流路を設置する事例が多く見られる.左折導流路は構造上,導流路内に横断歩道が設置される為,横断歩道上での自動車と自転車の錯綜が生じ,出合い頭事故が多発しており,交通安全対策上の課題となっている.本研究では,左折導流路の横断歩道上における出合い頭事故の原因について,自転車の進入方向・自転車の位置・自転車の速度といった自転車挙動と自動車運転者の急ブレーキ行動の関係性に着目して分析を行った.左折導流路に接近する自転車の進入方向や通行位置の違いが及ぼす,自動車の急ブレーキへの影響を定量的に示し明らかにした.