2015 年 50 巻 2 号 p. 170-176
本研究は,都市マスタープラン(都市MP)未策定の小規模自治体に絞ってそれらにどのような傾向があり,その上で,未策定自治体が都市MPの必要性をどのように考えているかを分析した.具体的には,九州地域内において,未策定自治体の人口,都市計画区域等の基礎的特徴を把握し,次いで,アンケート調査により都市MPに対する考え方を把握した.この結果,1)都市MP策定の優先度,必要性は必ずしも高くなく,都市MP不在でも実務に支障がない場合が多い,2)総合計画や区域MPを代替措置とする場合がある,3)合併や都市計画道路の見直しが策定の契機になることが多い,4)都市の将来像確定や住民周知の重要性は認識されているが,それが策定契機とはなりにくいこと等が明らかになり,小規模自治体において都市MPの位置づけ,必要性を再検討する必要があること等を示した.