2016 年 51 巻 3 号 p. 1046-1053
大震災からの復興プロセスにおいては、被災や移転等の影響を受け、都市空間形態の変容が生じる。本研究は東日本大震災の被災地における地理的条件と都市計画法による規制の指定状況の異なる4市町村を対象に農地転用申請の実態及びそれにより形成されている都市空間の実態を明らかにすることを目的としている。各市町では震災後に農地転用申請は住宅への転用を中心に急増していた。これらは線引き都市では市街化区域内の農地を中心に転用することで埋め込み型の開発がされていたが、非線引き都市では市街地周辺部の農地を転用し都市空間の拡大が発生していることが明らかになった。このような無秩序な開発を防ぐため、平時より土地利用規制を強めていく必要があると考えられる。