抄録
景観法(2004年)により景観の公益は位置づけられたが、その後10年の実践を経ても、まだ十分に景観の公益について理解が進んでいるとは言えない。自然環境や文化的景観の保全が求められるようなところでは、景観の価値は開発に優先されるべき可能性をもつ。しかし四万十市における大規模太陽光発電施設の事例から明らかなように、協議に応じられないような仕組みとなっている現在の再エネ特措法に問題があるものの、景観の公益は地域の行政と市民に委ねられている現実を踏まえると、異なる公益との調整には以下の3点が重要である:1)創造的景観協議の法制度化、2)景観の公益と再生可能エネルギーの公益の共存には立地計画の導入の必要があること、3)地方の自治体の決定を専門的・学術的に支えるための支援システムが必須であること。