都市計画論文集
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都市景観構成要素としてのLRT停留所デザインの特徴に関する時系列的考察
欧州33都市での現地実態調査に基づいて
ペリー 史子塚本 直幸
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 52 巻 3 号 p. 285-292

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抄録

欧州諸都市でのLRT導入は単なる交通機関整備ではなく、魅力的な都市景観や上質な歩行者空間の創出などの役割も担っている。そこで、本研究では、都市空間に一定間隔では位置されているLRT停留所に着目し、現地実態調査に基づいてそのデザインの特徴を探り、LRTの果たす役割の変化を考察することとした。フランス,スペインの33都市のLRT停留所を対象とし,「地域性の有無」、「デザイン影響範囲」の二つの軸に基づいて分類し,デザイン的特徴を探った.そして見いだされたデザイン的特徴を時系列的に考察し,次のことを明らかにした.(1)普遍的デザインタイプと変容するタイプがある,(2)変容するタイプは4つのステージ,すなわち第1ステージ:地域シンボルタイプ,第2ステージ:ダイナミックシンボルタイプ,第3ステージ:街並み演出タイプ,第4ステージ:都市一体化タイプである.そして、これらの4つのステージは、 LRTの役割の変化と関連していることを見いだすことができた。

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© 2017 公益社団法人 日本都市計画学会
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