2017 年 52 巻 3 号 p. 381-386
本研究では,施設が多く建設されている茨城県神栖市がケーススタディとして取り上げられた.要因はリスク認知,ベネフィット認知,信頼,景観評価,イメージ評価,関心から構成された.研究はこれらの要因が施設の受容に与える因果関係を検証した.さらに,施設の視覚的要素の有無が風車の受容と要因に与える影響を検証した.その結果,施設に対する住民の受容に,被害確率認知といったリスク認知は負の効果を及ぼした.また,ベネフィット認知,行政への信頼,イメージ評価は正の効果を及ぼした.次に,施設の視覚的要素がない場合,リスク認知が高くなる傾向が把握された.以上の知見から,施設を建設するとき,施設の受容に与える要因の因果関係を考慮の上,相互のバランスを調整しながら円滑にプロジェクトを推進していくべきである.