都市計画論文集
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グリュナウ団地における団地棟の撤去計画と撤去事業との整合性に関する調査
旧東ドイツのライプツィヒのプラッテンバウ団地を事例として
服部 圭郎
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2017 年 52 巻 3 号 p. 536-543

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抄録

ドイツのライプツィヒある大規模なグリュナウ団地は、1990年のドイツ再統一を機に人口は減少し始め、2002年に制定された連邦政府の「東の都市改造」プログラムに基づき、第一期(2002年)、第二期(2007年)の撤去事業を計画し、遂行した。しかし、それらの計画と、その撤去事業とは必ずしも整合性がとれていない。本調査ではグリュナウ団地における計画と撤去の実態を明らかにし、撤去された建物のすべての目録を作成し、それらを撤去計画との関係性から分類し、計画とどのように整合性がとれているのかを検証した。調査結果からは、マクロの計画においては実際の撤去事業もほぼ準じているが、ミクロの計画においては住宅会社の事情によって撤去する建物が選考される傾向があること、また、撤去計画において指定されていなくて撤去された建物は、「高さ」「改修状況」などのライプツィヒ市が撤去する建物を選考するうえでの重要なクライテリアとして挙げた項目への配慮が不足していることなどが明らかとなった。

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© 2017 公益社団法人 日本都市計画学会
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