抄録
東南アジアの一部の地方都市においては、地域化して発展した都市内道路公共交通、あるいはパラトランジットが重要な役割を担っている。東南アジアでは今後も経済発展と人口増加により交通需要が増加すること、地球温暖化の主要因であるCO2の排出量に占める運輸部門の割合が高いこと等を考えれば、このような地域化して発展した道路公共交通の効率化が望まれる。本研究では、インドネシアの地方都市マラン市のアンコットを対象に、その燃料消費量、および実走行について現地観測調査を行い、調査データを基に燃料消費量に影響を与える要因を検討した。結果として、アイドリング消費が燃料消費量に大きな影響を与えており、加速量はあまり大きな影響を及ぼさないことが示された。また、効率化の手段として電気自動車の購入を検討し、購入費用がガソリン車の1.5から2倍程度を下回れば20年程度の長期運用の場合には費用節約的であり、経営面・環境面を考慮すると導入を検討する価値があることが示唆された。