抄録
土地利用計画を考えるとき,量的な面だけではなく,用途の空間分布の面からの変化を把握することも重要である.そこで本研究は,2000年代初頭の東京区部における土地利用の量的のみならず空間的な変化(混合度指標)も用途地域別に分析し,土地利用の空間的パターンの変化を明らかにすることを目的とする.まず,構成比から住宅用途の増加と工業用途の減少が著しい.次に,商業と工業用途から住宅用途への利用用途遷移率が大きく,相当な利用用途間の遷移が行われたことから空間的なパターンの変化がある可能性が示唆された.最後に,住宅と商業用途の関係において商業地域では混合量のみ増加し,住宅系地域では住宅と商業用途の混合量・混合強度の両方が減少したことが見られ,住宅と工業用途の関係において隣接と近接の面からの混合量が増加した地区が多く存在し,構成比が大きく減少したものの住工分離が進んだとは言い切れないことが明らかになった.