抄録
用途地域制は土地利用コントロールの基本ツールであり、土地利用計画の基盤とも言える制度である。2012年より、三大都市圏でも用途地域の決定権限が基礎自治体である市町村へと移譲された。これにより用途地域制の運用が、より地域に即したものとなることが期待される一方で、これまでの運用との連続性や安定性、広域的な整合性なども求められる。本研究では用途地域等指定方針及び指定基準に着目する。この市町村における策定状況や、それまでの都県の方針および基準との相違から、市町村の用途地規制運用の実際を明らかにするものである。調査分析の結果からは、方針および基準の策定が必ずしも進んではいないこと、基本的に都県のものを引き継いでいることなどがわかった。また、総合的な都市政策に位置付けて用途地域制を運用している事例について考察評価を行った。最後に、これらを踏まえて今後の市町村の用途地域制運用に関するあり方を考察した。