都市計画論文集
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地域公共交通再編に伴う交通結節点整備に関する研究
乗換施設の複合化に着目して
長瀬 健介中井 検裕沼田 麻美子
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 53 巻 3 号 p. 565-572

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抄録

本研究では、地方中核都市におけるバス路線の再編に伴い、新たに発生する乗換拠点についての現状、ならびに複合化に向けた課題を明らかにした。地方都市における公共交通を維持するために、バス路線を整理して効率化を図る取り組みが多くの市で存在する。だが、それに伴い系統が分断されるため乗り換えが新たに必要となる地域もあり、乗り換えを行う場所の整備はその抵抗の削減に欠かせないものと考えられる。そこで本研究では、乗換拠点の他機能との複合化に着目し、整備の現状調査を行った。アンケートによって対象自治体のおよそ半数で乗換拠点の整備計画があることがわかった。しかし、市街地から離れた地域の乗換拠点では利用状況は芳しくなく、複合する施設との連携等を含め、乗換拠点を活かした効率的な運用が必要となる。また、現状は既存のネットワークを活用した立地選定のもとに整備されている乗換拠点が多いことがわかった。今後は複合化を目指した乗換拠点整備が進むと考えられるが、官民連携には多くの課題があり、どちらにもメリットがあるスキーム作りが求められる。

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© 2018 公益社団法人 日本都市計画学会
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