抄録
近年、モータリゼーションの進展や人口減少・高齢化により都市は様々な問題を抱えている。それらの問題を解決するにあたりコンパクトシティの考え方が注目されており、また魅力的な都市中心部を創造するために歩行者空間を整備する都市も多い。そこで本研究では、都市中心部の歩行者空間の賑わいは公共交通到達圏人口と関連性があることを明らかにするため、21都市を対象とした現地調査によって都市中心部の歩行者空間の賑わいを定量化し、交通モード別の到達圏人口を算出した。分析の結果、自動車到達圏人口は歩行者空間の賑わいにほとんど影響を与えないのに対し、公共交通到達圏人口は強く影響していると考えられる。都市中心部を活性化させるためには公共交通機関の沿線に人口を集約し、アクセス性を向上化させることが有効であることが示唆される。