都市計画論文集
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地震火災および洪水に備えた高齢者の避難対応とケアマネジャーによる支援対応の実態と課題
墨田区北部の密集市街地を事例として
石井 亮介中村 仁
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2018 年 53 巻 3 号 p. 875-880

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抄録
本研究は、地震火災および洪水リスクの高い東京都墨田区の北部地区を対象として、地震火災および洪水に備えた高齢者の避難対応とケアマネジャーの支援対応の実態と課題を把握することを目的としている。「高齢者の災害時避難に関するアンケート調査」、「ケアマネジャーの支援対応に関するアンケート調査」の2種類のアンケート調査を実施し、地震火災および洪水時における高齢者の避難行動とケアマネジャーによる支援対応の実態と課題を把握した。その結果、以下のことが明らかになった。地震火災避難においては、後期高齢者の約6割が広域避難場所への避難が困難となる可能性があり、介助者の支援を受けて、車いすや担架などの歩行補助器具を用いた避難も検討する必要がある。長期的には近距離の避難場所を都市計画として検討する必要がある。洪水避難については、ほぼすべての高齢者が垂直避難を検討していることから、垂直避難に対応した避難場所を確保するとともに、広域避難に向けた避難方法の検討と周知が必要である。こうした課題に対して、ケアマネジャーなどの福祉関係者は重要な役割を果たし得る可能性が高いことから、災害時に配慮が必要な高齢者の情報の把握、避難誘導方法や安否確認場所を定める「個別支援プラン」の作成などを連携して推進していく必要がある。
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© 2018 公益社団法人 日本都市計画学会
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