本研究は米国中西部に位置する衰退工業都市のマスタープランにおける土地利用転換戦略を明らかにすることを目的としている。2000年代に入り、産業衰退に起因する人口減少と空き家・空き地などの居住地区の空洞化に対応するためのマスタープランを立案する自治体が米国中西部の中にみられる。基本的な土地利用転換戦略としては、従前の用途(居住・産業など)のまま、地区の再生を図るものが多いが、ミシガン州Saginaw市やFlint市では、人口減少社会の特徴である不確実性に対応するための「可変性」、「暫定性」を内包した土地利用戦略が立案されていることが判明した。