抄録
本研究は都市計画マスタープラン(以下、都市MP)と立地適正化計画で示された目標都市構造の変化の実態とその意義を明らかにすることを目的とする。両計画は異なる法律に基づくものの、届出・勧告及び手厚い財政支援が伴う立地適正化計画が都市MPの一部とみなされるため、都市計画の重要な計画となる。調査結果から、都市MPの改定を伴わない立地適正化計画の策定が約7割存在すること、その計画策定時に計画担当者は都市MPとの整合、主に都市MP上の拠点の扱いを課題として認識していることを確認できた。また、両計画間の都市構造における拠点の階層構成及びランク(合わせて拠点構造)の変化から、3層構成の拠点構造が2倍程度に増加したこと、公共交通と都市機能の集積状況等により、都市MP上の拠点のランク変化又は拠点の新規指定が多く行われたこと、そしてこの拠点構造の変化は都市機能誘導区域の指定と対応していることを明らかにした。