都市計画論文集
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消防活動困難区域の定義再考
薄井 宏行
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2019 年 54 巻 1 号 p. 64-71

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抄録

本稿では,現行の消防活動困難区域の定義の妥当性について,①格子状の稠密な道路網を想定する妥当性,②直線距離を想定する妥当性,③隣接交叉点間の道路区間を捨象する妥当性の観点から確率論的に検証した.位相距離(広幅員(幅員6m以上)道路網から任意の狭幅員(幅員6m未満)道路区間に到達するまでの道路区間で構成される経路上の道路区間数)を母数とする経路距離の確率分布に着目することで,位相距離と経路距離の関係を確率論的に評価する方法を構築した.検証の結果,広幅員道路網から直線距離に基づいて140m以遠の領域を消防活動困難区域として定義することは,経路距離に基づいて200m以遠の道路区間を消防活動困難区域として定義することと確率的にほぼ同じであることがわかった.また,同一の道路区間であっても,消防活動困難リスクは異なることから,道路区間を捨象することは妥当でないこともわかった.

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