2019 年 54 巻 3 号 p. 1028-1034
近年、地方都市の中心市街地において観光客を誘致する都市が増加しているが、それぞれの観光資源の状況に応じた事業が展開されていないと考えられる。そこで本研究では、「地方中心・中小都市」の98都市144計画を対象として、観光を活用した地方都市の中心市街地活性化に関する示唆を得ることを目的とする。地方都市の中心市街地において、観光資源の状況に応じて面的に事業を展開することで観光客の増加に成功している都市が複数存在している。しかし、新規の単体施設整備や多くの都市で取り組まれているイベントなどのソフト事業によって観光入込客数の安定的な増加を図ることは難しい。ここから、都市の持つ歴史や文化を活かしながら、資源をネットワーク化し面的に事業を展開していくことが重要になってくるのではないかと考えられる。