都市計画論文集
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重要伝統的建造物群保存地区内の現状変更行為に対する住民等組織の関与に関する研究
山口 邦雄
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 54 巻 3 号 p. 1035-1042

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抄録

歴史的町並みの保存・活用において,法制度に基づく行政の取組みと地域社会のあり方を反映した住民等組織の取組みは相補的な関係にある。本稿の目的は,重要伝統的建造物群保存地区における住民等組織の取組みの貢献性と現状変更行為に対する関与を可能にする環境を明らかにすることである。全国の行政担当へのアンケート調査と5つの住民等組織への訪問ヒアリングに基づくケーススタディを分析した結果,以下のことが明らかになった。1)住民等組織による町並み保存・活用への関与は,賑わい,交流・文化の継承の2点において貢献性があると認識されている。2)現状変更行為に対する相談,審査,決定に直接的に係わる住民等組織は16である。3)これらの住民等組織は組織の代表性と関与の正当性が確保されており,関与が受容されている。

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