2019 年 54 巻 3 号 p. 532-538
本研究は、居住誘導の考え方や背景を明らかにしたうえで、市街化区域に対する居住誘導区域の面積比率が対照的な自治体における居住誘導区域の特徴の差異について考察することを目的とする。研究に当たっては、これら市街化区域に対する居住誘導区域の面積比率が対象的な自治体の立地適正化計画を参照し、どのような考え方や区域設定条件で居住誘導区域が設定されているかの調査を行った。分析により、市街化区域に対する居住誘導区域の面積比は自治体によって大きく異なり、自治体によって様々な居住誘導の考え方や区域設定条件が用いられていることが分かった。また、居住誘導区域を狭く設定した自治体は、居住誘導区域内の人口を増加させることを目指していた。一方で、居住誘導区域を広く設定した自治体は、今後人口が維持される範囲を居住誘導区域として設定していた。