都市サービス施設を集約した拠点の形成が目指されている.しかし地方都市では人口減少が著しく,拠点においても施設撤退が危惧される.施設撤退は人口減少だけが要因とは限らず,郊外の大型商業施設など様々な要因があり,要因ごとに拠点の維持に向けた方策は異なる.しかし拠点の施設減少度合やその要因は明らかになっていない.そこで本研究では施設増減から拠点を簡易的に診断し,人口減少や郊外流出,他拠点流出の観点から拠点の施設減少の要因を分析する.これらを通じて,拠点ごとの維持に向けて拠点設定の見直しも視野に入れた方策の参考情報を得ることを目的とする.分析の結果,1)拠点や後背圏の人口が増加している拠点は施設数が維持・増加傾向にあること,2)拠点類型別に人口減少や他拠点への流出などの施設撤退要因が異なること,が明らかになった.