2019 年 54 巻 3 号 p. 672-679
遊びは子どもの健全な育成に必要不可欠なものであることは言うまでもなく、海外では子どもの道遊びを行え得る性能を有した街路を創出するために、ボンエルフ等の交通静穏化策が広がりをみせている。ところが、我が国では子どもの道遊びが原因のトラブルも発生しており、現代においては地域社会に必ずしも受け入れられるものではない状況にある。そこで本研究では、地域において道遊びが容認され、または容認されない道路空間や状況の特徴を明らかにするために、地域住民の道遊びに対する意識について分析した。その結果、例えば道遊びを肯定的に考えている地域住民では時間帯によって容認意識が変化し、特に平日は小学生が下校するような時間帯から午後6時まで、休日は日中であれば容認されることなどを明らかにしている。