都市計画論文集
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和風型街並の印象が主観的経過時間の歪みに与える影響分析
ラグ数判断課題に基づく検討
白柳 洋俊倉内 慎也坪田 隆宏
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 54 巻 3 号 p. 983-989

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抄録

本研究では,街並の視覚刺激が主観的経過時間を短縮するとの仮説を措定し,室内実験を通じて同仮説を検証した.魅力的な街並を想起する際,その経過時間が実際よりも最近のことのように感じられる主観的経過時間の歪みが生じることがあり,同感覚が魅力的な街並を形成する要因の一つである可能性がある.主観的経過時間の短縮は,印象価や文脈効果といった強い視覚刺激を想起する際,同想起に関わる処理の流暢性が高まることで生じる.そこで本研究では,和風型街並に対象を絞り,和風型街並画像の和風印象価及び文脈効果が主観的経過時間の歪みに与える影響をラグ数判断課題により検討した.実験の結果,街並画像の和風印象価が高いほど,また文脈効果が大きいほど主観的経過時間が短縮する傾向,すなわち上記仮説を支持する可能性が示された.

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