保育・幼児教育施設による地域活用について質問紙調査を実施し、施設が属する市区町村の人口規模との関係から分析を行った。その結果、人口規模の大きい地域では動物園などの博物館施設を多くのが利用し、人口規模の小さい地域では田畑やあぜ道を多くの施設が利用するなど、その所在地域にある環境を活かして保育を行っていた。また人口規模に関わらず、利用場所は従来注目されてきた「公園」だけでなく、「田畑やあぜ道」「小学校」「神社や寺・教会」「森林や山」もよく利用していた。これらの場所はそれぞれ物理的環境の特性を持ち、施設もそうした特性を活かしたねらいや目標を持っていた。地域活用の課題としては、人口規模に関わらず交通量の多さや利用できる場所の少なさが問題となっていた。一方で人口の多い地域では人に関する課題、人口規模の小さい地域では目的地までの距離など場所や環境に関する課題が挙げられた。