都心部のストリートにおいて整備・管理運営・利活用等を総合的に行うストリートマネジメントを継続的に実現するには、ストリートマネジメント主体の形成もしくは醸成が重要になる。本論では、ストリートマネジメントプロセスを①初動期、②主体形成(醸成)期、③主体発展期という段階で整理し、また、マネジメントに関わる主体の役割を、①意思決定、②運営、③管理、④活用、⑤支援の5つで仮説的に整理した結果、ストリートマネジメントの主体形成(醸成)を円滑に行うためには、(1)マネジメント実働主体(特に運営主体)が形成・醸成される環境づくりの工夫、(2)合意形成を円滑にするためのワークショップ・シミュレーション・実験等の丁寧なプロセスと支援、(3)意思決定を円滑に行うための多主体を巻き込んだ包括的なプラットフォームの形成と行政の受け皿、(4)方向性共有のためのビジョン構築と共有プロセス、(5)発展期における活用・支援を通じた多主体への拡張、 (6)運営と実行を柔軟かつ機動力を持って行う体制、などが重要となることが明らかになった。