2021 年 56 巻 2 号 p. 347-359
近年、臨海工業の中心として高度経済成長を支えてきた東京臨海部の産業用地は、産業の高次化に伴い混合土地利用へと変化している。このような状況の中で東京臨海部の経済活動を促進するためには、新たに理想的な土地利用ビジョンを確立することが重要である。本研究の目的は、小地域単位の地域経済活性化状況を定量的に評価する手法の構築を目指し、それを東京臨海部に適用して経済活動の観点から空間動態を考察することである。本研究の結果、小地域単位の人口・雇用を構成する諸指標から成る「総合評価」、「多様性」、「集積性」について空間的に把握するための手法を提示するとともに、その手法を用いて東京臨海部の特徴について明らかにした。