都市計画論文集
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中京都市圏における通勤・通学フローに着目した最適な立寄り型施設の配置駅
田中 健一
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2022 年 57 巻 3 号 p. 1010-1017

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抄録

中京圏の鉄道網を利用する通勤・通学フローを対象として,フローの空間特性の分析ならびに立寄り型の施設の配置場所を求めることを目的とする.大都市交通センサスの中京圏の調査対象地域の鉄道路線をもとに鉄道網データを作成し,経路情報が再現可能な通勤・通学フローをデータ化する.そして,通勤・通学フローのうち,途中通過する鉄道駅のどこかに施設が存在するようなフローの流量に着目し,流量を最大化するように,指定個数の施設を配置する問題を解く.対象フローの数は約15,000種類でフローの総流量は約725,000であるが,オープンソースの数理最適化ソルバを用いて,平均的には数秒程度で問題を解くことができた.特に,施設を3か所に設定する場合の最適解である,名古屋駅,金山駅,大曽根駅の組み合わせは,多くのフローの経由駅でありかつ3つの駅のフローパターンが異なるために優れた選択肢であり,中京圏の全フロー量の6割近くをカバーしていることが判明した.本項の成果は,商業店舗の配置や,保育や医療サービスの提供場所,種々の公共施設の配置などを検討する上で,重要な基礎資料となるものと考える.

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