2022 年 57 巻 3 号 p. 524-531
本研究は福山駅周辺のウォーカブルエリアを対象に実測調査を行い、熱環境および人通りの現状を把握した。また福山駅から中央公園へ向かう際の経路シナリオを複数作成し、THERMO Renderによる熱環境の数値計算結果を用いて、熱的快適性観点から比較評価を行った。さらに熱環境改善モデルを作成し、同様の数値計算を用いてその評価を行った。<br /> 結果として、気温の移動実測調査より、気温は日射を遮る建物の影、日よけ、アーケード下、緑陰等で低下が見られた。また熱環境の数値計算結果より、気温と同様に日影空間でMRTの低下が見られ、アーケード下や中高層建物の日影空間を多く通る経路で熱的快適性が高かった。樹木と日よけの導入による熱環境改善効果は、日よけの方が大きかった。