都市計画論文集
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行政書士と社会的企業の連携を通じた所有者不明土地対策の可能性と課題
新潟県田上町を舞台とする「みどり福祉会」と「けあーず」の事例分析
中島 弘貴
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2022 年 57 巻 3 号 p. 800-807

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抄録

本研究は、行政書士と社会的企業の連携を通じた所有者不明土地対策の可能性と課題を検証するものである。新潟県田上町を舞台とする行政書士を中心とする「みどり福祉会」と社会的企業の「けあーず」の事例分析を通じて、所有者不明土地対策に関わる事業展開過程を明らかにするとともに、管理における主体間の役割分担を特定した。<br />所有者不明土地対策に関する事業展開に至った経緯として、行政書士は他の士業人材との差別化のためである一方、社会的企業はシルバー人材派遣事業を展開する中で、多角化を通じた業務の効率化を図ったためであることを明らかにし、継続的に事業を展開しうるインセンティブがあることが明らかになった。<br />このような経緯の中で、行政書士が法的管理と物理的管理の一部を担い、社会的企業が物理的管理全般と利活用を担うことで、所有者不明土地問題への予防・対処に貢献する役割を果たしており、行政書士と社会的企業が連携した組織体は、包括的に所有者不明土地対策を担う有力な主体像の1つになり得るという示唆を得た。

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