抄録
従来、歴史研究において、農村集落内の小規模土木構造物について研究した例は極めて少ない。そこで、本研究では、下末吉台地縁辺部に位置する旧久末村を事例に、「久末村地引絵図」、久末村の「村内地理全誌」等から、明治初期の道路、河川、水路、土手、橋梁、堰等の実態を調べ、それらと土地利用との関係、それらが構成する農村空間の特色を報告するものである。この結果、道路、河川、水路、田、畑、宅地、山林、藪、萱野、寺、神社などの面積を定量的に把促するとともに、その地形立地を示した。また、橋梁と堰の維持管理について言及するとともに、久末村における12の特徴的な空間構成タイプを抽出した。