科学・技術研究
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短報
MoO3およびH2MoO4の抗菌活性へのpHの影響
中山 享伊藤 陽菜多美籐 彩乃福田 有里中原 望辻 久巳
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2025 年 14 巻 2 号 p. 159-164

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抄録
MoO3の高い抗菌活性は水分との接触反応により生成するH3O+によるpHの低下が影響すると考えられている。難水溶性粉体で、H3O+の生成を期待できるH2MoO4、WO3、H2WO4、H型Yゼオライト、H型モデルナイトゼオライトについて、MoO3と共に大腸菌に対する抗菌活性を調べた。抗菌活性は、MoO3の他にH2MoO4で認められたが、WO3、H2WO4、H型Yゼオライト、H型モデルナイトゼオライトでは認められなかった。抗菌活性が認められたMoO3およびH2MoO4を脱イオン水中で1日静置した後、それぞれのpH値を測定したところ、MoO3が3.52であり、H2MoO4が4.34であった。一方、抗菌活性が認められなかったWO3およびH2WO4のpH値は5.0以上であり、H型YゼオライトおよびH型モデルナイトゼオライトのpH値は6.2以上であった。また、100 MPa加圧下状態での圧粉体のイオン伝導に関する抵抗率を室温にて測定した。MoO3およびH2MoO4は他のサンプルより抵抗率が1桁以上低く、イオン伝導種と考えられるH+もしくはH3O+濃度が高いと推測した。MoO3およびH2MoO4の低いpH値、すなわち多くのH3O+の生成が、抗菌活性に影響を与えていると考えた。
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