日本土木史研究発表会論文集
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福岡市の土木史的考察(その2)
黒田長政の城下町建設から現代まで
秀島 隆史
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キーワード: 都市, 建設, 変遷
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1987 年 7 巻 p. 101-111

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抄録
そもそも都市の発生とその発展は、その都市の立地条件と自然環境条件を基盤としているものではあるが、一面では人為的施策に強く影響されるものでもある。換言すれば、「都市は巨大な土木構築物」と言うことができよう。
福岡市の発生とその発展過程において、平清盛の「袖の湊」の築造による発生と豊臣秀吉の「博多町割り」[戦災復興都市計画] の実施によって中世末期の新しい町人町として再発足した博多は、その後黒田藩による近世初期の福岡城下町の建設によって新しい局面を迎えることとなる。そして、この両者の双子町的存在と発展は全国でも稀な特異な都市としての性格を持つこととなるのである。
この福岡市も明治以降の近代化の歩みを辿るが、第二次世界大戦末期の米軍大空襲によってその中心部の大半を焼亡する。そして、その戦災復興とその後の近代的都市化の波の下に今日の福岡市がある。
この福岡という都市の物理的発展過程を明らかにすることによって、「都市」のもつ独特の形態とその性格に関して、「土木」の関与するものを考察してみたいと思うものであるが、今回は前回 (その1) に続いて城下町建設以後現代までについて述べる。
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