抄録
昨年まで5回にわたって古代日本における高度測量の存在とそのエジプトからの伝播を指摘してきたが、基礎資料として直感的に形状を把握しにくい遺跡などの位置関係を取り扱ったため、一般の理解を得にくいきらいがあった。
今回は、土木史はもちろん日本古代史においても決定的に重要な基礎資料であり、幾何学的形状も明瞭な前方後円墳の平面形をとりあげ、とくに七角形を平面設計の基礎としていると考えられる古墳群について、その幾何学を解明するとともに、近江と紀州に画かれた大規模な地上設計図を提示し、それらが古代エジプトの幾何学に起源をもつことを述べ