1989 年 9 巻 p. 27-31
現在用いられている「土木」という言葉については、いつ頃から使われていたのかについては明らかにされていない。明治以前は使われていなかったとか、あるいは、全く反対に「土木」という言葉は古い言葉で孝徳天皇の時代つまり大化の改新あたりにあった、という色々な説がある。そこで、「権記」を始め日本の文献に現れる「土木」という言葉について、その出典と語議の歴史的変遷について考察し、現在われわれが用いている道路、橋梁、築堤工事などを意味する言葉として使われるようになったのかについて明らかにする。