土木史研究
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東京戦災復興計画の緑地計画に関する一考察
昌子 住江
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キーワード: 戦中-戦後, 緑地, 市街化抑制
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1992 年 12 巻 p. 289-293

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抄録

東京の無秩序な膨張を抑えようとした東京緑地計画の環状緑地帯は、戦時下の東京防空空地帯計画に受け継がれ、さらに戦後の東京戦災復興計画で緑地地域として指定されたところにほぼ重なることは既に知られている。東京戦災復興計画では緑地地域の内側に、大公園と緑地帯から成る緑地計画があった。東京のなかを縦横に走る緑地帯を配した計画としては、戦前東京市が作成し構想に終った皇都都市計画の防空緑地帯をあげることができる。なお同計画は、人口と産業の再配置を意図した、東京大都市圏に関する計画の一環として構想されたものである。ここには、江東・墨田の一帯を飛行場や大公園にするという大胆な計画もあった。本稿では、結局実現には至らなかった東京戦災復興計画での緑地計画について、その淵源を探るとともに消滅の背景についても考察する。[戦中~戦後・緑地・市街化抑制]

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