1998 年 18 巻 p. 259-264
熊本市を貫流する白川は、阿蘇をその源とし、流域の8罰が阿蘇カルデラというその特異性から、阿蘇で大雨が降るとヨナ (火山灰) を含んだ流水が一気に熊本市に流れ込み、多大な被害を与えてきた歴史がある。この様な状況に対処するため領国を治める者たちは、古くから川を治めるための様々な事業を行ってきている。
近年に至り、土地利用が高度化し氾濫区域への人口、資産の集積が進むなかで、当該地域の社会、経済の礎となる白川の治水が、なお一層の重要性を増している。
このような背景を基に本論文は白川の治水の歴史を紹介するものである。