1998 年 18 巻 p. 529-535
本研究は神奈川県内に現存する近代土本道産の現況について調査したものある。調査はアンケート対象機関として建設省、運輸省、そして県市町等から寄せられた回答をもとにしている。これらから環地調査等をふまえて遺産としての判断をおこなった。遺産の所在分布を見ると横浜市と横須賀市の県東部分、南足柄市と箱根町の県西部に大きく分けられる。横浜市には明治期に建設された港湾施設、それに関東大震災復興期の橋梁等が比較的多く残っており、横須賀市は隧道、箱根町周辺は発電施設と橋梁が多いなど地域的な特徴が見られる。県内の遺産は322件と多いため、これを2回に分けることにし、本稿では横浜市を除く県内地域204件の現況について報告する。