抄録
岡山市は政令指定都市を除けば、全国的に見ても比較的人口規模の大きな地方都市である。しかしながら、その割に都市としての「活力」が感じられない。産業経済における活気がなく、都市基盤施設の整備もかなり遅れている。では何故、このような停滞感が漂う都市になってしまったのだろうか。そこで本論文では、現在の岡山市の状況に最も影響を与えたと考えられる近代の土木事業費から、岡山市においてどのように都市整備が行なわれたかを分析し、問題点を明らかにしようとする。また、近世には岡山市と同規模の城下町であったが、現時点では都市規模、産業経済など様々な面でかなりの格差が生じてしまった近隣の高松市との比較分析を行い、近代における岡山市の土木事業費の水準が、高松市のそれと比べて圧倒的に低かったことを明らかにしようとする。