1996 年 13 巻 p. 265-271
新幹線や高速道路をはじめとする地域間交通整備は、それによって結ばれた地域に交流可能性の増大をもたらし、双方の地域の発展に寄与することが期待される。しかし、大都市と小都市を結ぶような交通整備の場合には双方の地域の発展の度合に不均衡が見られることがあり、また東京を中心に交通機関が整備されたことが東京一極集中に拍車をかけたという意見もある。本研究では、地域間交通サービス水準を説明要因とする人口分布モデルを構築し、将来の地域間交通整備によって人口分布変動がどのような形で起こるかを予測した。その結果、今後の新幹線整備が人口分布の地方分散可能性をもつことがわかった。