1996 年 13 巻 p. 273-278
計画策定手続をめぐる利害対立は各地で見られるが、従来よりこのテーマは行政法の研究分野として扱われてきており、工学からの研究は少ない。本研究は、まず都市計画事業の計画策定手続に関連する既存研究を整理する。次に現行の都市計画決定手続の運用実態に関してのアンケートにより、都市計画地方審議会が重要な役割を果たしていることを明らかにする。さらにその結果を踏まえて、都市計画事業の計画決定手続を展開形ゲームとして表現して分析を行い、都市計画地方審議会の審査基準の明確化の必要性、そのために関係住民に掲示される計画案は説明可能性と変更可能性を有する必要性があることを示す。