1996 年 13 巻 p. 461-468
商業地の魅力を考える際, その雰囲気を形成する要因の究明と, それに基づく分析が不可欠である。本論文は、商業地の街並み景観の特性が、商店主から消費者への情報伝達に基づくと捉え、その形式の差異から商業地の街並み景観を分析を試みたものである。情報伝達の観点から各店舗を捉える枠組みを設定し、その枠組みに従い実例調査を行い、情報伝達形式から店舗をタイプ分けし、それらの集合として、街並み景観を類型化した。
その結果、飲食・物販系6業種には12のタイプの店舗が存在し、商業地の街並み景観は4系統に類型化できた。これにより、従来の業種構成論による分類では明らかにできなかった街並み景観の差異と同一性を明らかにした。