1997 年 14 巻 p. 167-174
産業連関表が発表されていない地域について、大地域の産業連関表から、その地域に含まれ小地域の産業連関表を作成する間接的な方法としてノン・サーベイ法がある。既研究された大部分のノン・サーベイ法は、産業連関を示す指標として投入係数を用いている。しかし、大地域と小地域の投入係数の間にどの程度の関係があるのかは明らかにされていない。それで、本研究では投入係数と分配係数を対象として大・小地域間の比較分析を行った。分析は全国、近畿、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県の6地域の平成2年度産業連関表と同年度全国産業連関表速報について、比較値の平均と偏差による比較分析と相関分析を行った。その結果、投入係数の地域間関連程度は高いと認められた。一方、輸移出入の含まれた分配係数の比較結果はあまり高くない関連性が示されたが、輸移出入を除いて比較した結果は地域間の関連性が非常に高いと認められた。これは地域分割による大地域の内々流動が最も大きな原因であることも分かった。