1997 年 14 巻 p. 157-166
多数の地域開発プロジェクトの計画・推進において、不透明な施設需要量は意思決定の問題として取り扱うことが可能である。しかし、取扱いが簡単なロジットモデルは、データの入手に多大な費用を要するだけでなく、事前に因子情報を得る困難さを抱えている。
一方、独自に発展してきた簡便な意思決定方法であるAHPは、効用比の表現の域にとどまり、ロジットモデル等の他のモデルとの関係が明らかになっていない。
本稿は、AHPとロジットモデルの関係を検討し、AHPの効用値がそのまま集計ロジットモデルの選択確率となり、ロジットモデルにおける線形効用関数のパラメータ探索に利用できることを得た。