1997 年 14 巻 p. 371-380
過去に災害による通行規制に遭遇した経験の有無とその際の交通選択行動および仮想的な通行規制条件下での交通選択行動について, 四国地域の一般ドライバーを対象にアンケート調査を実施した. 通行規制に遭遇しても85%のドライバーはトリップを中止することはなく, そのほとんどが迂回ルートを利用することや, 経路変更の際にはほぼ7割のドライバーがリスクの高いルートへの変更を余儀なくされていることがわかった. 通行規制時の中止・迂回・待機の行動は, 時間差や時間比によりある程度説明できることが確認できた. また, 中止行動モデルは迂回・待機モデルよりも説明力がやや低下することがわかった. 得られた行動モデルを四国地域の道路ネットワークに適用し, 交通量配分モデル構築のための基礎的検討を行った. 規制の影響を直接受けるトリップ数は全体の3%程度であったが, トリップの中止率, 迂回率はドライバーの実際の行動とよく一致することがわかった.