本研究では、「公共交通に近い立地が自動車利用削減に寄与するか?」ということを念頭におき、駅から様々な距離にある団地の住民の自動車利用実態の違いをアンケート調査を基に分析している。その結果、自動車の保有は駅に近い団地ほど少ないが、トータルな利用 (平均走行台キロ) は必ずしもそうなっていないことや、世帯属性が自動車利用に及ぼす影響が限定的であることなどを示した。また、送迎や買物目的では主要な活動目的地が近い団地ほど自動車利用が少なく、これら両者の近接化を図ることにより自動車利用を削減できる可能性があることを示した。