抄録
本研究では, 今後必要性が高まると予想される歩行者空間整備の計画基準の提案を目的として, 都市内狭幅員街路における歩行者, 自転車, 自動車交通からなる混合交通流内の歩行挙動の分析を行った.歩行挙動については, 交通・街路環境により変化する歩道の利用行動, 歩行者の障害物の回避行動等を取り扱っている. 分析には, 都内より抽出した15街路をビデオ撮影し, 実現象を数値化したデータを用いた. 計画基準については狭幅員道路を通行する交通手段に対し, 時間と空間のオキュパンシーを同時に扱うことを可能とする時間・空間オキュパンシー指標を提案している. 併せて, 混合交通流におけるサービス水準の評価指標として空間オキュパンシーとすれ違い, 錯綜の程度の使用を提案している.