1999 年 16 巻 p. 569-575
本研究では, 行動モデルに基づく配分計算を究極的な目的として, 1) 様々な種類の運転者を対象とする, 2) 所要時間の不確実性の意思決定への影響とその異質性を考慮する, 3) 経路重複による誤差項の共分散の発生を考慮した需要予測を可能とする, という特徴をもった経路選択モデルの構築を図った. 行動モデルを推定する際, 平常時における経路選択行動を観測したRPデータと, その通行止め等の交通網異常時における対応行動についてのSPデータを用いた. 推定計算より, 所要時間以外の経路選択要因が抽出されるとともに, 危険回避傾向と個人属性やトリップ目的, 提供情報との関係についての知見が得られた.